YCで連載されたBR公式外伝”天使たちの国境”が一記事2分前後でわかってしまうダイジェストシリーズ、第二回でっす!
前回までのあらすじ: 谷沢が見張り中の内海に珈琲を差し入れにいくとこまで。途中、自分が同性愛者である事をカミングアウト。これはもう戦争だ! 修学旅行に向かったはずのあたしたち城岩中学3年B組42人がバスの中で眠らされて、見知らぬこの島の分校で目覚めたのが昨日午前一時ごろのこと――もう24時間以上経っている。 坂持「はーい、皆さん。よく眠れましたか~?」 坂持「はいはい、お静かに~。じゃあ説明しま~す」 教室には坂持という得体の知れない男がいて、あたしたちに「プログラム」の開始を告げた。 坂持「今日はみなさんに殺し合いをしてもらいまーす。やったね(はぁと)。最後まで残った人はおうちに帰れるよ~」 「プログラム」――それはあたしたちが暮らしているこの国、大東亜共和国が毎年行っている軍事実験だ。中学三年生の学級ひとつが無作為に選び出され、クラスメイト同士、たった一つの生き残りの椅子をかけて殺し合う。 何の実験なのかは今でもよくわからないが、あたしも物心ついた頃には「これ」の事を知っていた。――だが。 自分が選ばれるなんて思ってもみなかった。 きっとみんな同じだろう。交通事故や重い病気と同じだ。「何で自分が?」 もちろん冗談ではなかった。冗談では死体を用意しない。 担任の林田先生はあたしたちを守ろうとしたのだという。そして指示に逆らった生徒二人――国信慶時と藤吉文世はその場で殺されたのだ。 谷沢「ねぇこれ、マシンガンていうのかな。重いよね~」 内海「そうね」 谷沢「あたしさー、結構ばかばかしい気がしてるんだけど。今でも、こういうの自分が持ってるのって」 内海「……そうね。でも……」 内海「これが無かったらあたしたち会えなかったかもしれないよ? あたしが引き返したのも、これがあればなんとかなるって思ったからだもの」 実験が始まり、あたしたちは出席番号順に一人ずつ分校を出た。島の人たちは政府が島外に退避させたのだという。 あたしもわけのわからないまま静まり返った夜の中を走り出して――だが、その時、あたしを呼ぶ声が聞こえたのだ。 内海「はるか、はるか!」 谷沢「ひっ!」 内海「はるか、こっち! はるか!」 繰り返すが、ルール上、クラスメイトはすべて敵だ。 だがあたしと幸枝は小学校の頃からもう長いことバレーボールを続けていて、セッターとアタッカーのコンビを組んでいる。一番の友達であり、そして、あたしにとっては今やそれだけではない―― 谷沢「幸枝……幸枝っ 幸枝っ 幸枝……っ 幸……(何かの看板に躓く)」 内海「危ない、はるか!」 内海「もー、はるかってば重ーい! 体格差考えてよ、体格差!」 谷沢「幸枝……っ。良かった……良かった。良かったぁ……!」 内海「うん……」 とにかくあたしに幸枝を疑う理由は無かった。幸枝があたしを殺そうとするわけがない……! そして幸枝もそう思ってくれていた。そのことがとても……。 幸枝「……――……ねえ、はるか……?」 谷沢「あ……ごめん、幸枝……!」 出発前、あたしたちには武器と食料が配られた。あたしの武器はトンカチだったのだが、幸枝のそれは拳銃で―― 谷沢「幸枝……? 幸……!」 内海「戻ろう、はるか!」 谷沢「――え?」 内海「分校の前まで戻るのよ! この銃があれば安心でしょ? ほら! これ読んどいて!」 谷沢「……あ……(ビックリした……)」 内海「それでみんなに声を掛けるのよ!」 谷沢「み……みんな? みんなって!?」 内海「とにかくみんなでどうしたらいいか考えたいの!」 内海「ほら! 立って! 行くよはるか!」 谷沢「……」 というわけで003に続きまする。
by wishstar1208
| 2011-11-02 00:05
| 天使たちの国境
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